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2021年3月

2021年3月19日 (金)

ピリ(線毛)を迅速に効率良く、且つ簡単に採る方法!?③

こんにちは。

トヨエモンです。

  

さて、今回も前回からの続きですが、ようやく本題ですw

 

Moraisらの論文「マルチモーダルクロマトグラフィーを用いた

Lacticaseibacillus rhamnosus GG由来の線毛を精製するための迅速で、

効率良く、簡便な実践的方法」(Front Microbiol 2020)の要旨で、

著者たちはこのように書いています。

  

「この方法では、特定の抗体や複雑な実験装置は必要としない」

  

この論文を発見したとき、期待で胸がいっぱいだったのですが、

論文の方法の部分を読んで最初の図を見ると、

すでにクロマトグラフィーが3つ出ています・・・。

一つは、Capto Core 700カラムを使ったマルチモーダルクロマトグラフィー、

もう一つはSephacrylカラムを用いたゲルろ過クロマトグラフィー、

そしてもう一つは、HiTrap Q HPカラムを使ったイオン交換クロマトグラフィー…

 

そもそもトヨエモンはクロマトグラフィーが苦手です。

と言うか、苦手意識をもっています。

学生時代、アナログなシステムでクロマトグラフィーをやったことがあり、

その時の記憶で「クロマトは面倒臭い」という固定観念が。。。

   

勿論、この論文ではそんなアナログなことはせず、

一つの機械で3つのクロマトグラフィーを完結しています(しているはずです)。

  

確かに実験をバンバンやっている方にとっては、タイトル通りだとは思うものの、

トヨエモンにとっては「簡単に採る方法」ではありませんでした…残念。

  

ちなみにこの論文の方法を簡単に説明するならば、

菌を培養して、酵素で細胞壁を分解します。

そして、分解された細胞壁部分を上記3種類のクロマトグラフィーにかけます。

すると線毛が精製できます。

以上です(勿論、実際は細かいプロセスがあります)。

確かにこれだけ見れば簡単ですね(笑)

  

しかも、この方法の利点は、従来の方法と比較して、

線毛の収量が多く、純度が高いことだそうです。

2~3日の作業で、1リットルの培養液から、

約50マイクログラムの線毛が採れるようです。

  

カラムがあれば、

ちょっと試してみたい気がしないでもない…かも。

 

  

おしまい。

2021年3月 5日 (金)

ピリ(線毛)を迅速に効率良く、且つ簡単に採る方法!?②

こんにちは。

トヨエモンです。

 

もう3月です。

最近、1年があっという間に過ぎていきます。

歳でしょうか・・・。

   

さて、前回はMoraisらの論文(Front Microbiol 2020)について紹介しました。

そして、タイトルにある「マルチモーダルクロマトグラフィーを用いた

Lacticaseibacillus rhamnosus GG由来の線毛を精製するための迅速で、

効率良く、簡便な実践的方法」の『マルチモーダルクロマトグラフィー』について

調べたところで力尽きてしまいました。。。

今回はその続きです。

  

タイトルを見ると、もう一つ『線毛』という専門用語がありますね。

このブログでも時折紹介していますが、線毛はピリ(pili)とも呼ばれ、

L. rhamnosus GGの菌体から毛のように伸びた構造体のことです。

  

線毛は、腸管の上皮に付着するのに重要だと考えられています。

L. rhamnosus GGの線毛は、長さが1マイクロメートルに達することもあり、

1つの菌体から10~50本くらい伸びて(生えて?)います。

菌自体の大きさが数マイクロメートルですので、

もしトヨエモンが同じように髪の毛を伸ばしたら、かなりのロン毛になりますw

  

L. rhamnosus GGの線毛は、主にSpaA、SpaB、SpaCの

3種類のタンパク質から構成されています。

 

まず線毛の一番根本にあるのがSpaBです。

線毛を菌体にくっつけているイメージです。

 

そして、線状の構造を作るのがメインのタンパク質SpaAとなります。

SpaAが鎖状につながっているとイメージしてください。

 

そして、毛の一番先っちょにSpaCがあります。

 

以前はSpaAの鎖の途中、所々にSpaCが分布しているとされていました。

(Reunanen et al. Appl Environ Microbiol. 2012)

過去記事(腸管バリアとLGG菌④)を見ると、

こんな図(↓)を掲載していましたね。

01  

しかし、最近の研究報告では、

SpaCは線毛の先端のみに存在すると考えられています。

(Kant A et al. J Struct Biol. 2020)

  

  

つづく。