« 2021年1月 | メイン | 2021年3月 »

2021年2月

2021年2月28日 (日)

ピリ(線毛)を迅速に効率良く、且つ簡単に採る方法!?①

こんにちは。

トヨエモンです。

 

先日は2月とは思えないくらいの暖かい日が続きましたが、

よくよく考えたら、あと数日で3月、すぐに春ですね!

会社の梅も満開です。 

Img_5704 

  

さて、L. rhamnosus GGの論文を探していたら、

『A Fast, Efficient and Easy to Implement Method to Purify

Bacterial Pili From Lacticaseibacillus rhamnosus GG Based on

Multimodal Chromatography』

という論文を見つけました。

※ Morais et al. Front Microbiol 2020

 

フランスの研究チームの論文で、タイトルを日本語にすると

『マルチモーダルクロマトグラフィーを用いた

Lacticaseibacillus rhamnosus GG由来の線毛を精製するための

迅速で、効率良く、簡便な実践的方法』

という感じでしょうか。

タイトルだけでも、いくつか説明が必要そうですね・・・。

 

まずはマルチモーダルクロマトグラフィー…。

実はトヨエモンも初めて聞きました(汗)。

なので、少し調べてみました。

すると、マルチモードとか多モードというワードが出てきました。

どうやら、クロマトグラフィーに使用するカラムが、

複数の分離モードに対応しているようです。

  

この時点で、おそらく「クロマトグラフィーって何?」「カラムって何?」

「分離モードって何?」と思っている方もいるのではないでしょうか?

どこまで説明をすれば良いのか、トヨエモンも判りませんcoldsweats01

なので、ざっくりと書きます。

  

クロマトグラフィーとは、

混合物(色々な物質が混じっている)を固定相に通し、

各物質を分離・検出する方法です。

 

最も簡単なクロマトグラフィーに、

ペーパークロマトグラフィーというのがあります。

解かりやすい例が産業技術総合研究所(通称、産総研)のウェブサイトの中にある

キッズ向けコンテンツ『さんそうけんサイエンスタウン』にあったので紹介します。

コーヒーフィルターを細い短冊状に切って、片側の端の方に水性ペンでマークします。

そして、マークの下側部分を水に漬けておくと、毛管現象でフィルターに水が染み込んで、

マークした所より更に上へと水が登っていきます。

その時に、インクも一緒に登っていき、

インクを構成していた色にそれぞれ分かれていきます。

 

水に溶けやすい色は、より上まで登り、溶けにくい色はあまり移動しません。

そして、色ごとにフィルターを切ってしまえば、分離できたことになりますね。

この場合、フィルターペーパーが固定相に相当し、

固定相が管に詰まっている場合、これをカラムと呼びます。

   

そして、上述の場合は水への溶けやすさで分離していますが、

物質のサイズで分離することもあります。

例えば固定相に小さな穴が空いている場合、

小さな物質は穴の中に入ってしまうため、なかなか移動できませんが、

大きい物質は小さな穴にはいりこめないため、

すぐにカラム(固定相の詰まった管)の中を移動してしまいます。

このように分離の仕方には色々とあり、それらを分離モードと呼ぶわけです。

  

通常、カラムは一つの分離モードですが、

マルチモーダルクロマトグラフィーで使えるカラムは、

複数の分離モードに対応できるというわけらしいです。

  

全く本題に入れませんが、さすがに疲れました・・・。

本日はここまでにて。

 

  

つづく。

2021年2月19日 (金)

ムーンライティングタンパク質

こんにちは。

トヨエモンです。

 

先日は宮城で震度6強の地震がありました。

3.11の余震と言われていますが、

10年後にも余震がくるなんて初めて知りました。

 

さて、昨年(2020年)9月に「p75というタンパク質の研究」という

シリーズで記事を書きました。

そのなかで、ムーンライティングタンパク質というワードがあったことを、

おそらく誰も覚えていないでしょう・・・笑

唐突ですが、今回はムーンライティングタンパク質について

書こうと思います。

 

ムーンライティングタンパク質(ムーンライトタンパク質と呼ぶこともある)は、

英語だと”Moonlighting proteins”です。

パッと見、「”月の光”だなんて、何だかステキな名前!」と思ってしまいます。

(トヨエモンはそう思っていました・・・汗)

でも実際は、「Moonlighting=(内緒の)副業」という意味らしいです。

つまり、ムーンライティングタンパク質とは

”本業である機能のほかに加えて、(副業として)別の機能も示すタンパク質”

のことを言います。

 

前述した昨年の記事のなかで、L. rhamnosus GGが作る「p75」というタンパク質は、

二つの異なる機能をもつことが報告されていることを紹介しました。

一つ目は、Vanderbilt大学のYan先生が報告した「Aktシグナルを介して

腸管上皮の恒常性を保つ機能」、

二つ目は、Lebeer先生たちのグループが報告した「細胞壁を分解する機能」です。

そして、「p75」の場合は、構成するアミノ酸配列を見る限り、

本来は「細胞壁分解酵素」です。

 

そう考えると、報告された順番は逆ですが、p75というタンパク質は、

本業が「細胞壁分解酵素」、

副業として「Aktシグナルを活性化して、宿主の腸管上皮に良い影響を与える」

というムーンライティングタンパク質だと言えるでしょう。

 

現在、様々なムーンライティングタンパク質がわかってきており、

細胞の中でも場所によって違う働きをするもの、

細胞の中と細胞の外で全く違う働きをするもの、

など色々なものがあり、とても興味深いです。

ただ、おそらく、この記事に興味をもつ方はほとんどいないので、

「つづく」にはしませんが・・・。

気が向いたら、続編を書きたいと思います。

 

おしまい。