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2014年2月

2014年2月28日 (金)

腸管バリアとLGG菌(番外編:ナマコの巻)

こんにちは。
トヨエモンです。

前回、前々回とアカデミックな話ばかりだったので、
今回は箸休め・・・ということで番外編です。

実は、年明けに釣りに行ったのですが、
そのとき釣れた(引っかかった???)のが、コレ↓

20140119_112950
そう、ナマコです(笑)

どっちが口で、どっちが肛門か分かりませんが、
ちゃんと胃、小腸、大腸があるんだそうです。(知らなかった@。@!)

ナマコって海の中で触ると、変なウニョウニョしたものを吐き出します。
それがナマコの腸です。
ナマコは威嚇するために腸管を吐き出し、それを囮にして危険を回避します。
つまり、外敵から身を守るためのバリアとして・・・

・・・んっ!?
腸管バリア???
しかも、腸管自体を使ってしまうという腸(超)荒技!!(笑)

とっぽい姿をしておきながら、ものスゴイ大胆なヤツなんですね~。

ちなみに、腸は時間が経つと再生するんだそうです。

(※ 本来の腸管バリアとは全く意味が違うのでご注意ください!!)

結局、このナマコちゃんは荒技を見せてくれることはなく、
真っ赤に膨れて怒るばかりで(最初から赤でしたが・・・)
とても話ができる状態ではありませんでした。
なので、頭を冷やしてもらうためにも、冷たい海にお帰りいただきました。

※ ナマコは地元漁協による共同漁業権の対象となっている場合があります。

その日の夕方、スーパーで同じ位の赤ナマコが
海水の入ったビニルに生きたまま売られていました。
498円・・・。
意外にいい値段だったのでビックリ!
ヤケにナマコ酢が食べたくなったトヨエモンでした☆

おしまい。

 

2014年2月24日 (月)

腸管バリアとLGG菌④

こんにちは。
トヨエモンです。

前回は、LGG菌が腸管上皮細胞に付着する力が強いことを、おさらいさせて頂きましたが、
その付着性の強さは、以前LGG菌の毛①で紹介した、”ピリ(線毛)”が一つの要因だと
考えられています。

今回は、もう少し”ピリ”について見ていきたいと思います。

下の写真(左)が、LGG菌のピリを特殊な染色方法で染めて、電子顕微鏡で
撮影したものです。
そして、ピリを拡大してその構成を示したものが、右の図となります。

Photo_3※ 写真(左): Dr. A. Hendrikxs (Utrecht大学), Dr. M. Kankainen (Helsinki大学),
Prof. W. M. de Vos (Wageningen大学)のご好意により提供いただきました。
尚、論文はKankainen et al. PNAS (2009)をご参照ください。
※ 図(右): Reunanen et al. Appl Environ Microbiol (2012)より改変。


写真の紫色に染まっているのがLGG菌。そこから黒い粒つぶが見えるかと思いますが、
この粒つぶがピリを構成しているタンパク質の一つであるSpaCです。
右図のように、ピリはSpaA、SpaB、SpaCの三種類のタンパク質がつらなった構造を
しており、LGG菌の表層からビヨ~ンと外側に伸びています。

さて、このピリがなくなるとどうなるのでしょうか?

そうなんです。LGG菌の付着力が落ちてしますのです・・・。

今のところ、ピリを持つ乳酸菌として、論文にしっかりと紹介されているのは
LGG菌だけです。
(中国の乳酸菌であるL. paracasei Zhangにもピリがあることが学会で
紹介されていましたが、論文には出ていないようです。)

LGG菌の付着力の強さの秘密には、このピリの存在が大きいようです。

 

つづく。

2014年2月21日 (金)

腸管バリアとLGG菌③

こんにちは。
トヨエモンです。

さて、今回は「腸管バリアとLGG菌」の第3弾です。

前回は、プロバイオティクスの腸管バリアに対する機能として
大まかに三つの機能があることを紹介しました。
そして、それぞれの機能を細かく見ていく前に、一つ忘れていることがありました・・・。

それは、LGG菌が腸管上皮に付着するということです。
これまでも、LGG菌の付着性について、このブログで紹介してきましたが、
付着性はLGG菌の大きな特徴でもありますので、もう一度、
おさらいしたいと思います。

腸へくっつく性質”付着性”は、プロバイオティクスが腸へ何らかのアクションを
するために、非常に重要な要素です。
なぜなら、腸管の表面に付着しなければ、そのまま腸管を通りすぎてしまうわけで、
腸に対してアクションできる機会が減ってしまうからです。

それでは、まずLGG菌の付着性の強さを見てみましょう!!

下のグラフは、弊社が保有している乳酸菌やビフィズス菌の菌株とLGG菌が、
ヒト由来の腸管上皮細胞系であるCaco-2細胞に対して、どの程度付着するか?を
観察した結果です。

Caco2_attachment_2

出典:Morita et al. Microbiol Immunol (2002)


一番下のバーがLGG菌を示していますが、他の菌株より
Caco-2細胞に付着する力が強いことが分かります。

一般的に、プロバイオティクスは胃酸や胆汁酸に強く、生きて腸まで到達する菌株が
使われています。
しかし、実は、腸に生きて届くだけでなく、そこに一定期間とどまるための付着性が、
プロバイオティクスとしての機能に重要であると言われているのです。

つづく。

2014年2月17日 (月)

LGGラボ新ページ

こんにちは。
トヨエモンです。

少々、紹介が遅れてしまったのですが、LGG菌の研究についてまとめている
WebサイトLGGラボに新しく花粉症関連のページが更新されています。

こちらは、LGG菌と、タカナシ乳業オリジナルの乳酸菌であるTMC0356菌(ガセリ菌)の
研究について紹介していますので、是非ご覧下さい。

本来LGGラボは、LGG菌やその機能性について科学的根拠を交えて紹介するページですが、
今回、ページ内には”バリア機能”という言葉の使い方などに、多少サイエンスと離れた部分が
あります。
あくまでイメージなので、ご理解下さい。
ただ、現在、トヨエモンがブログで書いている「LGG菌とバリア機能」を読んだ方は、
多少混乱することがあるかも知れませんね・・・トヨエモンも正直書きにくいです(苦笑)

ただし、詳しい解説のほうには、それぞれの機能をしっかりと記述してありますので、
そちらを読んでいただければ問題ないかと・・・。

おしまい。

2014年2月 4日 (火)

腸管バリアとLGG菌②

こんにちは。
トヨエモンです。

さて、前回は腸管バリア機能について簡単に説明させて頂きました。
今回は、プロバイオティクスがどのように腸管バリア機能へ作用しているのか
ということについて紹介します。

まず、簡単(!?)なイラストを紹介します。
これは、 Ohlandらのレビュー(論文)のイラストですが、
非常によく纏まったものだったので、ブログ用に改変しました。
※ 出典: Am J Physiol Gastrointest Liver Physiol (2010)

1_2
Ohlandらのレビューでは、腸内へ到達したプロバイオティクスの働きを、
おおまかに次のように3つに分けています。

① 他の細菌への直接的な作用
② 腸管免疫系への作用
③ 腸管上皮細胞への直接的な作用

①は、他の共生細菌や病原菌が腸管上皮に付着するのを防いだり、
さらにバクテリオシンのような抗菌物質で攻撃することによって、
細菌が体内へ侵入するのを防ぐ作用です。

②は、免疫システムに働きかけ、分泌型IgAの産生を促進する作用です。
腸管粘膜に分泌されたIgAが異物を捕獲することによって、
異物が体内へ侵入するのを防ぎます。

③は、腸管上皮細胞から粘液(ムチン)の産生やディフェンシンのような
抗菌物質の産生を促進する作用です。さらに細胞同士を結合する
タイトジャンクション(TJ)の構成タンパク質の発現を調節し、
細胞と細胞の隙間から異物が侵入するのを防ぐ作用も含みます。

さらっと書いてしまいましたが、次からはLGG菌による①~③の作用を
もう少し詳しく見ていきたいと思います。

20140131_124037研究所の前の梅がキレイに咲いてきました!!

おしまい。