2021年5月31日 (月)

前回の補足

こんにちは。

LGG菌サムライです。

 

前回の記事の中で、

「米国ではL. rhamnosus GGとCOVID-19に関する臨床試験が実施されている」

という内容を少し書きました。

こちらは、元々2021 ISAPP Annual Meetingの紹介がメインだったので、

今回はこの臨床試験について、もう少し詳細を紹介したいと思います。

  

米国の臨床試験サイト(https://clinicaltrials.gov)から、

この臨床試験を検索していきます。

最初に簡単なサマリーがあり、

『本試験の目的は、L. rhamnosus GGとCOVID-19に曝露した家庭内接触者における

マイクロバイオーム(人体内および人体上に生息する微生物)に対する効果を評価する

ことです。本試験は、無作為化二重盲検プラセボ対照試験であり、被験者はL. rhamnosus

GGまたはプラセボを投与されるように無作為に割り当てられ、どちらの製品を投与されて

いるかはわかりません。被験者は約60日間の試験に参加します。被験者は、研究期間中、

他のプロバイオティクスの摂取を控えなければなりません。被験者は、試験のアンケート

に答えるために、Eメールとインターネットにアクセスできる必要があります。この研究

に参加するには、L. rhamnosus GGもしくはプラセボを28日間摂取し、アンケートに

回答し、便と鼻腔スワブのサンプルを提供する必要があります。』

と記載されています。

 

そのあとに、試験に関する様々な詳細情報が掲載されています。

特に気になる情報としては、予定している試験参加者は1132人となっており、

かなり大規模な臨床試験ということがわかります。

そして、試験は2020年7月24日から開始されており、

終了予定は2022年5月25日となっています。

試験終了が1年先ということは、結果が報告されるのは

さらに先になるということですね。

未だ試験途中ということで、どのような結果になるのか分かりませんが、

今後が楽しみです。

  

そして、この試験を調べていたなかで、文献データベースPubMedでも

この研究のプロトコルが出てきました。

BMJ Openという雑誌に掲載されています。

(※ Tang et al. 2021 BMJ Open)

こちらの情報の方が、さらに詳しいかと思います。

気になる方は、オープンアクセスなので是非ご確認頂ければ。

 

  

おしまい。

2021年5月29日 (土)

2021 ISAPP Annual Meeting

こんにちは。

LGG菌サムライです。

 

2021年6月1日~2日に

ISAPP(International Scientific Association for Probiotics and Prebiotics)の

Annual Meetingが開催されます。

 

ISAPPとは、このブログでも度々ご紹介しているSeppo Salminen先生が、

現在会長をされているプロバイオティクスやプレバイオティクスに関する

国際的な学術機関です。

(ISAPPのWebサイトはこちら→https://isappscience.org/)

 

今回のAnnual Meetingは、COVID-19の影響によって、

オンラインでも開催となったようです。

  

プログラムを見ますと、

2日目のセッションは「Probiotics, COVID and vaccines」というタイトルです。

つまり、プロバイオティクスと新型コロナ、そしてワクチンに関するセッションと

いうことですね。

 

そして、最初のスピーカーはDuke大学のPaul Wischmeyer先生です。

昨年、米国で「L. rhamnosus GGの摂取とCOVID-19に関する臨床試験」

についてのニュースが発表されたのですが、この臨床試験プロジェクトの

中心人物がPaul Wischmeyer先生です。

このニュースについては、

「Lacticaseibacillus rhamnosus GG COVID-19 clinical trial」のような

キーワードで検索すれば、ヒットするかと思います。

  

米国の臨床試験サイト(https://clinicaltrials.gov)で、

この研究は「A Randomized Trial of the Effect of Lactobacillus on

the Microbiome of Household Contacts Exposed to COVID-19」

というタイトルで登録されています。

  

おそらく、今回のISAPP Annual Meetingでは、

この研究に関するトピックを拝聴できるのではないかと思います。

ただし、この会議はニューヨーク時間の午前10:00~開始ということで、

日本時間だと23:00~夜中に開催されることになります。

 

実は、6月1日、2日は日本でも腸内細菌学会が開催される日です。

両方に参加するのは、かなり大変そうです。

   

おしまい。

2021年4月30日 (金)

ヨーグルトにお酢を入れる???

こんにちは。

トヨエモンです。

 

以前、「毎日大さじ1杯のお酢が良い」というような

テレビ番組か何かあったのでしょうか???

私は知りませんが・・・(笑)

 

ただ、ヨーグルトにお酢を入れている方もいるようで、

そんな話を聞いたら、

お酢を入れてもL. rhamnosus GGが生きているのか気になってしまいます。

 

そこで、前回に引き続き、今回もゆる~い検証実験です!(笑)

 

 

さて、まずは酢を準備しましょう!と研究所内を徘徊しますが見つかりません・・・。

前回のコーヒーフィルターにしろ、お酢にしろ、誰かに聞けば出てくるはずですが、

(弊社は食品会社なので)

研究をやっている人間が、開発の所に行って、急に「押忍!お酢ください!!」なんて言ったら、

必ず「何に使うの?」って聞かれます。

こんなお遊び・・・いや崇高な研究(笑)をしているところを、

誰かに知られるわけにはいきませんbleah

 

そこで頭を使って、試薬の酢酸を使用することにします。

酢酸のビンなら持っていても怪しまれないはず!

 

 

市販の酢はだいたい酢酸濃度が3~5%らしいのですが、

今回は少し強めの4%に調整しました。

 

Img_5718

(字が汚い!)

 

 

次に、市販のL. rhamnosus GGが入っているヨーグルト(100グラム)を

よく振ってドロドロにします。

Img_5738

ドロドロの状態になりました。

 

お酢が入っていない時の菌数を確認するため、

少量を別に取り分けます。

 

 

そして、先ほど準備した4%酢酸溶液を

「ヨーグルト1個に対して大さじ1」になるよう計算して加え、

よく混ぜます。

なぜ計算するかと言うと、少量を別に取り分けたからですね。

  

通常、開封して5分もあれば食べ終わると仮定して、

酢酸を加えてから5分間静置しました。

Img_5739 

 

ちなみに、各ヨーグルトのpHは、お酢入り3.94、お酢なし4.18でした。

ただ、最近pHの測定なんてしていなかったので、

本当にこの値が正確なのだろうか・・・トヨエモンは自信ありません!!

 

 

少し脱線しましたが、5分間静置した後に適宜希釈して、

培地に播いて培養しました。

 

 

3日後、こんな感じにコロニーが出てきました。

左:お酢入り、右:お酢なし、です。

Img_5744

やっぱり字が汚くてすみません!!

そして、希釈倍率間違えました・・・。

1枚の培地に対して、コロニーの数が少し多すぎですね・・・。 

ただ、どちらも数はほとんど変わらないように見えますconfident

 

 

とりあえず両方ともコロニーの数を数えます。そして、お酢入りの方は、

お酢を入れた分だけ薄くなっているので、補正します。

 

 

補正した結果、最終的な数がお酢入り:441個、お酢なし:431個。

要するにお酢を入れて5分間放置しても、

L. rhamnosus GGは全く死んでいないという結果になりました!shine

(10個は誤差の範囲…)

 

今回は飽くまで一例にすぎません。

使っているお酢の種類、加える量、加えてからの時間などによって

結果が変わってくる可能性もあることを最後に付け加えさせていただきます。

 

 

おしまい。

 

2021年4月26日 (月)

ペーパークロマトしたら悪魔を召喚してしまった???

こんにちは。

トヨエモンです。

  

さて、先月まで

L. rhamnosus GGからマルチモーダルクロマトグラフィーで線毛を簡単に採る方法」

についての論文を、3回にわたって紹介してきました。

 

その第1回目では、クロマトグラフィーを説明するために、

紙を使った「ペーパークロマトグラフィー」を例にしてみました。

そこで今回は、実際にペーパークロマトをやってみましょう!

 

尚、『さんそうけんサイエンスタウン(https://www.aist.go.jp/science_town/)』の

コンテンツに、ちょうど良いのがあったので、これに沿ってやってみます。

 

まずコーヒーフィルターを用意します!と思ったら、見当たらず・・・。

いきなり躓きます(汗)

そこで実験室にあった大きめの濾紙を短冊状に切って使うことにしました。

Img_5719_2

ろ紙(↑)

 

Img_5720

  

 

短冊状に切った濾紙の片端から2cmくらいのところに

鉛筆で線を引きます。

ここがスタートラインとなります。

Img_5721

 

 

この線の上に、水性ペンで点をつけます。

Img_5722

Img_5723

こんな感じに、今回は黒のペンで印をつけました。

 

 

そして、濾紙の端(点をつけてない方)を割り箸に挟んで留めます・・・

と思ったら、割り箸も見当たらなかったので、仕方なく実験室にあった薬さじに

セロテープで貼りました。

  

つぎに透明なコップに深さ1cmくらいになるよう水を入れ、

先ほど用意した短冊状の濾紙の先端(マーカーで点を付けた方)を

水面に浸します。

この際重要なのは、マーカー部分を水につけないことです。

Img_5725

 

 

すると、毛管現象によって水が濾紙を伝って登ってきます。

Img_5726

水が登っているのが見えますでしょうか???

 

 

5分経って、こんな感じになりました。

水性ペンでマークした点が水に溶け、だいぶ広がってきましたね!

Img_5728

 

 

10分後・・・。

Img_5730

上側が少し青く、下側が少し黄色く見えます。

 

  

20分経ちました。

Img_5731

ん???

何か角みたいのが生えてきました・・・。

 

 

30分後。

Img_5733

色がきれいに分かれるというより、

角みたいのが立派になってしまいました(笑)

 

 

引き上げて乾燥させます。

Img_5734

 

よく見ると、黒山羊の頭をした悪魔(バフォメットって言うらしい)のようにも。

黄色の部分がヒゲっぽく見えてしまいます。

Img_5735

もしや悪魔を召喚してしまったのか・・・。

 

 

ちなみに、今回上手く分離できなかったのは、

マークが濃すぎるのが原因だと思われます。

毛管現象で上がってくる水の量に対して、インクの量が多すぎるのです。

また、マークした部分に大量のインクがあると、それが抵抗となってしまい、

水が登りづらくなると考えられます。

その結果、真ん中だけ水が登りづらくなり、

そこが凹んで角のようなものができてしまったのでしょう。

 

つまり・・・失敗ですねw

 

試してみようと思った方は、

上述した産総研のウェブを参考にしてください。

  

 

おしまい。





 

2021年3月19日 (金)

ピリ(線毛)を迅速に効率良く、且つ簡単に採る方法!?③

こんにちは。

トヨエモンです。

  

さて、今回も前回からの続きですが、ようやく本題ですw

 

Moraisらの論文「マルチモーダルクロマトグラフィーを用いた

Lacticaseibacillus rhamnosus GG由来の線毛を精製するための迅速で、

効率良く、簡便な実践的方法」(Front Microbiol 2020)の要旨で、

著者たちはこのように書いています。

  

「この方法では、特定の抗体や複雑な実験装置は必要としない」

  

この論文を発見したとき、期待で胸がいっぱいだったのですが、

論文の方法の部分を読んで最初の図を見ると、

すでにクロマトグラフィーが3つ出ています・・・。

一つは、Capto Core 700カラムを使ったマルチモーダルクロマトグラフィー、

もう一つはSephacrylカラムを用いたゲルろ過クロマトグラフィー、

そしてもう一つは、HiTrap Q HPカラムを使ったイオン交換クロマトグラフィー…

 

そもそもトヨエモンはクロマトグラフィーが苦手です。

と言うか、苦手意識をもっています。

学生時代、アナログなシステムでクロマトグラフィーをやったことがあり、

その時の記憶で「クロマトは面倒臭い」という固定観念が。。。

   

勿論、この論文ではそんなアナログなことはせず、

一つの機械で3つのクロマトグラフィーを完結しています(しているはずです)。

  

確かに実験をバンバンやっている方にとっては、タイトル通りだとは思うものの、

トヨエモンにとっては「簡単に採る方法」ではありませんでした…残念。

  

ちなみにこの論文の方法を簡単に説明するならば、

菌を培養して、酵素で細胞壁を分解します。

そして、分解された細胞壁部分を上記3種類のクロマトグラフィーにかけます。

すると線毛が精製できます。

以上です(勿論、実際は細かいプロセスがあります)。

確かにこれだけ見れば簡単ですね(笑)

  

しかも、この方法の利点は、従来の方法と比較して、

線毛の収量が多く、純度が高いことだそうです。

2~3日の作業で、1リットルの培養液から、

約50マイクログラムの線毛が採れるようです。

  

カラムがあれば、

ちょっと試してみたい気がしないでもない…かも。

 

  

おしまい。

2021年3月 5日 (金)

ピリ(線毛)を迅速に効率良く、且つ簡単に採る方法!?②

こんにちは。

トヨエモンです。

 

もう3月です。

最近、1年があっという間に過ぎていきます。

歳でしょうか・・・。

   

さて、前回はMoraisらの論文(Front Microbiol 2020)について紹介しました。

そして、タイトルにある「マルチモーダルクロマトグラフィーを用いた

Lacticaseibacillus rhamnosus GG由来の線毛を精製するための迅速で、

効率良く、簡便な実践的方法」の『マルチモーダルクロマトグラフィー』について

調べたところで力尽きてしまいました。。。

今回はその続きです。

  

タイトルを見ると、もう一つ『線毛』という専門用語がありますね。

このブログでも時折紹介していますが、線毛はピリ(pili)とも呼ばれ、

L. rhamnosus GGの菌体から毛のように伸びた構造体のことです。

  

線毛は、腸管の上皮に付着するのに重要だと考えられています。

L. rhamnosus GGの線毛は、長さが1マイクロメートルに達することもあり、

1つの菌体から10~50本くらい伸びて(生えて?)います。

菌自体の大きさが数マイクロメートルですので、

もしトヨエモンが同じように髪の毛を伸ばしたら、かなりのロン毛になりますw

  

L. rhamnosus GGの線毛は、主にSpaA、SpaB、SpaCの

3種類のタンパク質から構成されています。

 

まず線毛の一番根本にあるのがSpaBです。

線毛を菌体にくっつけているイメージです。

 

そして、線状の構造を作るのがメインのタンパク質SpaAとなります。

SpaAが鎖状につながっているとイメージしてください。

 

そして、毛の一番先っちょにSpaCがあります。

 

以前はSpaAの鎖の途中、所々にSpaCが分布しているとされていました。

(Reunanen et al. Appl Environ Microbiol. 2012)

過去記事(腸管バリアとLGG菌④)を見ると、

こんな図(↓)を掲載していましたね。

01  

しかし、最近の研究報告では、

SpaCは線毛の先端のみに存在すると考えられています。

(Kant A et al. J Struct Biol. 2020)

  

  

つづく。

2021年2月28日 (日)

ピリ(線毛)を迅速に効率良く、且つ簡単に採る方法!?①

こんにちは。

トヨエモンです。

 

先日は2月とは思えないくらいの暖かい日が続きましたが、

よくよく考えたら、あと数日で3月、すぐに春ですね!

会社の梅も満開です。 

Img_5704 

  

さて、L. rhamnosus GGの論文を探していたら、

『A Fast, Efficient and Easy to Implement Method to Purify

Bacterial Pili From Lacticaseibacillus rhamnosus GG Based on

Multimodal Chromatography』

という論文を見つけました。

※ Morais et al. Front Microbiol 2020

 

フランスの研究チームの論文で、タイトルを日本語にすると

『マルチモーダルクロマトグラフィーを用いた

Lacticaseibacillus rhamnosus GG由来の線毛を精製するための

迅速で、効率良く、簡便な実践的方法』

という感じでしょうか。

タイトルだけでも、いくつか説明が必要そうですね・・・。

 

まずはマルチモーダルクロマトグラフィー…。

実はトヨエモンも初めて聞きました(汗)。

なので、少し調べてみました。

すると、マルチモードとか多モードというワードが出てきました。

どうやら、クロマトグラフィーに使用するカラムが、

複数の分離モードに対応しているようです。

  

この時点で、おそらく「クロマトグラフィーって何?」「カラムって何?」

「分離モードって何?」と思っている方もいるのではないでしょうか?

どこまで説明をすれば良いのか、トヨエモンも判りませんcoldsweats01

なので、ざっくりと書きます。

  

クロマトグラフィーとは、

混合物(色々な物質が混じっている)を固定相に通し、

各物質を分離・検出する方法です。

 

最も簡単なクロマトグラフィーに、

ペーパークロマトグラフィーというのがあります。

解かりやすい例が産業技術総合研究所(通称、産総研)のウェブサイトの中にある

キッズ向けコンテンツ『さんそうけんサイエンスタウン』にあったので紹介します。

コーヒーフィルターを細い短冊状に切って、片側の端の方に水性ペンでマークします。

そして、マークの下側部分を水に漬けておくと、毛管現象でフィルターに水が染み込んで、

マークした所より更に上へと水が登っていきます。

その時に、インクも一緒に登っていき、

インクを構成していた色にそれぞれ分かれていきます。

 

水に溶けやすい色は、より上まで登り、溶けにくい色はあまり移動しません。

そして、色ごとにフィルターを切ってしまえば、分離できたことになりますね。

この場合、フィルターペーパーが固定相に相当し、

固定相が管に詰まっている場合、これをカラムと呼びます。

   

そして、上述の場合は水への溶けやすさで分離していますが、

物質のサイズで分離することもあります。

例えば固定相に小さな穴が空いている場合、

小さな物質は穴の中に入ってしまうため、なかなか移動できませんが、

大きい物質は小さな穴にはいりこめないため、

すぐにカラム(固定相の詰まった管)の中を移動してしまいます。

このように分離の仕方には色々とあり、それらを分離モードと呼ぶわけです。

  

通常、カラムは一つの分離モードですが、

マルチモーダルクロマトグラフィーで使えるカラムは、

複数の分離モードに対応できるというわけらしいです。

  

全く本題に入れませんが、さすがに疲れました・・・。

本日はここまでにて。

 

  

つづく。

2021年2月19日 (金)

ムーンライティングタンパク質

こんにちは。

トヨエモンです。

 

先日は宮城で震度6強の地震がありました。

3.11の余震と言われていますが、

10年後にも余震がくるなんて初めて知りました。

 

さて、昨年(2020年)9月に「p75というタンパク質の研究」という

シリーズで記事を書きました。

そのなかで、ムーンライティングタンパク質というワードがあったことを、

おそらく誰も覚えていないでしょう・・・笑

唐突ですが、今回はムーンライティングタンパク質について

書こうと思います。

 

ムーンライティングタンパク質(ムーンライトタンパク質と呼ぶこともある)は、

英語だと”Moonlighting proteins”です。

パッと見、「”月の光”だなんて、何だかステキな名前!」と思ってしまいます。

(トヨエモンはそう思っていました・・・汗)

でも実際は、「Moonlighting=(内緒の)副業」という意味らしいです。

つまり、ムーンライティングタンパク質とは

”本業である機能のほかに加えて、(副業として)別の機能も示すタンパク質”

のことを言います。

 

前述した昨年の記事のなかで、L. rhamnosus GGが作る「p75」というタンパク質は、

二つの異なる機能をもつことが報告されていることを紹介しました。

一つ目は、Vanderbilt大学のYan先生が報告した「Aktシグナルを介して

腸管上皮の恒常性を保つ機能」、

二つ目は、Lebeer先生たちのグループが報告した「細胞壁を分解する機能」です。

そして、「p75」の場合は、構成するアミノ酸配列を見る限り、

本来は「細胞壁分解酵素」です。

 

そう考えると、報告された順番は逆ですが、p75というタンパク質は、

本業が「細胞壁分解酵素」、

副業として「Aktシグナルを活性化して、宿主の腸管上皮に良い影響を与える」

というムーンライティングタンパク質だと言えるでしょう。

 

現在、様々なムーンライティングタンパク質がわかってきており、

細胞の中でも場所によって違う働きをするもの、

細胞の中と細胞の外で全く違う働きをするもの、

など色々なものがあり、とても興味深いです。

ただ、おそらく、この記事に興味をもつ方はほとんどいないので、

「つづく」にはしませんが・・・。

気が向いたら、続編を書きたいと思います。

 

おしまい。

2021年1月31日 (日)

2021年最初の論文は?

こんにちは。

トヨエモンです。

 

さて、先日は2020年のL. rhamnosus GGに関する論文の報告数について書きました。

それでは、2021年初にPubMedに登録された論文は何だったのでしょうか?

  

ということで、キーワードは前回同様に

「"lactobacillus" OR "lacticaseibacillus" AND "GG"」で行います。

  

すると、ヒットしたのは

タイトル:Factors Associated With Nonadherence in an Emergency Department-based Multicenter Randomized Clinical Trial of a Probiotic in Children With Acute Gastroenteritis.

著者:David Schnadower et al.

文献:J Pediatr Gastroenterol Nutr. 2021 Jan 1;72(1):24-28.

でした。

なんと2021年1月1日です!

  

タイトルをG〇〇gle先生に翻訳してもらうと、

「急性胃腸炎の小児を対象としたプロバイオティクスの救急科ベースの多施設ランダム化臨床試験における非遵守に関連する要因」

と出てきました。

なんか難しそうですね・・・。

 

要旨を読む限り、

小児の急性胃腸炎に対してL. rhamnosus GGを投与する臨床試験で、

試験期間中に医師が指示した用量をちゃんと摂取しているか、

ということを中心に調査した研究のようです。

確かに、必要量を摂取していないと結果に大きく左右してきます。

特に子供が対象の場合、本人の要因(機嫌など)に加え、

両親側の要因(心配など)もあるので、

なおさら臨床試験を完遂するのは大変そうですね。

 

今回、本文を入手していないため、要旨だけでは内容がよく分からないので、

もう少し詳しく読んでみたいと思います。

 

おしまい。

2021年1月25日 (月)

本年もよろしくお願いします!2021年

こんにちは。

トヨエモンです。

 

もう年が明けて一ヶ月が経とうとしているというのに、

これが2021年初の更新です・・・。

新年のご挨拶が遅くなりましたが、本年もよろしくお願いいたします。

 

さて、昨年のLGGに関する論文報告数をPubMedで調べてみました。

キーワードは昨年4月にLactobacillus属の学名が再編されてことによって、

「"lactobacillus" OR "lacticaseibacillus" AND "GG"」で行います。

そして、年数を指定してデータをダウンロードすると、

2020年は165報となりました。

 

つまり、約2.2日に1報の割合で論文数が増えていることになります。

ちなみに2019年は156報ということで、前年と比較しても10報程度増えました。

 

少し前にも、論文数の増加が半端ないという記事を書きましたが、

「今年はどの程度増えるのだろう?」という期待と、

「どれだけ把握しなければならないのだろう・・・?」という不安が入り混じりますね。

  

いずれにしろ、世界で最も研究されているプロバイオティクス乳酸菌を扱っている身として、

可能な限り論文を読んでいきたいと思います。

そして面白いものがあれば、今年もこのブログで紹介していきます。

 

おしまい。