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2014年12月10日 (水)

RSウイルスとLGG

こんにちは。

トヨエモンです。

昨夜、ニュースを見ていたら子供のRSウイルス感染が流行っているのだとか…。

そういえば、 この間ケンノシンも同じことを言ってたような気がします。

独身のトヨエモンは、子供についての情報が乏しいので、保育園や幼稚園で何が流行ってるのか全く分かりません。

なので、いつもケンノシンとタケサブローからの情報が頼りです。

         

さて本題ですが、プロバイオティクスとRSウイルスの研究は報告が少ないないようです。

とりあえず調べてみると、フィンランドのヘルシンキ大学Korpela先生のチームが幼児に対する呼吸器感染症の研究でRSウイルスもみていました。

その他、風邪のウイルスとして最もポピュラーなライノウイルスやインフルエンザウイルスなどもみています。

 

結果としては、他の臨床試験同様、LGGを摂取すると、感染後の保育園や幼稚園を休む日数が減ります。

つまり、症状が軽減されます。

 

一方で、感染した子供の鼻から検出されるウイルス数は、LGG菌摂取しても変わらなかったとあります。

 

ウイルスはいるけど、症状は軽くなる…まだまだ詳細なメカニズムはわかっておりません。

というよりは、様々なメカニズムが複合的に関与していて、単純に”コレが効いている!”というような、現象はないと思います。

例えば、LGG菌を摂取すると、NK活性や抗ウイルス性サイトカイン(インターフェロンαやβ)、炎症性サイトカインTNF-αの上昇によって、ウイルスに対する防御機構を示すことがわかっています。

また、最近の研究では、口から摂取したLGG菌は、その付着性によって、ある程度の時間を口腔や咽頭、気道付近にとどまっていることが分かってきています。

そして、腸内だけでなく、口や鼻、呼吸器の免疫システムを活性していると考えられています。

このように、様々な免疫システムの活性化の結果、ウイルス感染に対して作用しています。

いずれにしろ、下記の臨床試験の報告(臨床試験だけです!動物試験等は含みません)を見れば、やはりLGG菌が呼吸器感染症に対して効果を示すことがわかると思います。

下記は、効果のあった論文だけをリストアップしていますが、他に有意な差が見られなかった試験報告も数個ありました。

 

 

① プロバイオティクスを含むミルクの長期摂取の園児に対する効果 Hatakkaら BMJ 2001年

② プロバイオティクス鼻腔内投与が、鼻腔内の病原菌の定着を減らす Glück Uら Am J Clin Nutr 2003年

③ 嚢胞性線維症の子供における肺の症状悪化に対するLGG菌摂取の効果 Bruzzeseら Clin Nutr 2007年

④ 乳児へのプロバイオティクスとプレバイオティクスの投与の感染率に対する長期的安全性と効果 Kukkonenら Pediatrics 2008年

⑤ プロバイオティクスが乳児における急性感染症のリスクを下げる Rautavaら Br J Nutr 2009年

⑥ LGG菌が園児における胃腸および呼吸器の感染症を予防する Hojsakら Clin Nutr 2010年

⑦ LGG菌が入院児童における胃腸および呼吸器の感染症を予防する Hojsakら Pediatrics 2010年

⑧ プロバイオティクス投与が、嚢胞性線維症患者の肺の症状悪化に対する影響 Weissら Pediatr Pulmonol 2010年

⑨ 入院児童に対するLGG菌の投与は、胃腸および呼吸器の感染症のリスクを減らす Meadows-Oliverら Evid Based Nurs 2011年

⑩ 中耳炎になりやすい子供の鼻咽頭におけるヒトボカウイルス Lehtorantaら Int J Pediatr Otorhinolaryngol 2012年

⑪ LGG菌を含むミルクと子供における呼吸器疾患 Kumpuら Eur J Clin Nutr 2012年

⑫ 経口投与後のLGG菌が扁桃腺から検出される Kumpuら Br J Nutr 2013年

⑬ LGG菌の使用と、園児の鼻咽頭からのウイルス検出 Kumpuら J Med Virol 2013年

⑭ プレバイオティクスとプロバイオティクス投与が早産児におけるライノウイルス感染を予防する Luotoら J Allergy Clin Immunol 2014年

⑮ 徴候的なフィンランドの軍人におけるプロバイオティクス投与とウイルス検出 Lehtorantaら J Clin Virol 2014年

※ ブログ前半で紹介したRSウイルスに関する記述がある論文は⑬です

 

 

上のリストを見ていただければ、LGG菌と呼吸器感染症に対する研究は、すでに10年以上経っており、LGG菌の機能性は沢山の研究の積み重ねから生まれていることが解かってもらえるかと思います。

最後に、下記のメタ解析の論文でも、LGG菌の投与が子供の呼吸器感染に対する予防に対して有効であることを示しています。

Lactobacillus rhamnosus GG supplementation for preventing respiratory infections in children: a meta-analysis of randomized, placebo-controlled trials.
Liu S, Hu P, Du X, Zhou T, Pei X.
Indian Pediatr. 2013

メタ解析とは、沢山の臨床報告を総合的に解析し、本当に効果があるのか?を調べる手法です。

この解析は非常に信頼性が高いのですが、メタ解析をするためには、しっかりとした臨床報告が多数出ていることが必要です。

なので、メタ解析による効果の判断には多くの論文数が必要となります。

LGG菌は研究の積み重ねがあるからこそ、こういったメタ解析ができると言えますね!

小難しい話になってしまいましたが、お付き合い有難うございました。

おしまい。